臨床経験を活かせる!ツアーナースのバイト

海外旅行の2週間前までにワクチン接種を済ませておくことが望ましい

海外旅行者も注意

日本における季節性インフルエンザは通常、初冬から春先にかけて流行がピークに達します。現在、Aソ連型(H1N1亜種)・A香港型(H3N2亜型)・B型の3種類が、それぞれ毎年わずかな変異を遂げながら流行しています。

ワクチン接種を行うことで、インフルエンザに罹患するリスク、あるいは重症化や合併症の併発、死亡するリスクを低減させることができますので、高齢者や基礎疾患のある人や医療従事者は接種が推奨されます。

接種法は、1歳未満は0.1mL/回、1〜6歳未満は0.2mL/回、6〜13歳未満は0.3mL/回、13歳以上は0.5mL/回を皮下に注射します。接種回数は、日本では13歳未満は2回、13歳以上は1回または2回です。2回接種する場合、1〜4週間の間隔が必要ですが、免疫効果を考慮すると3〜4週間あけることが望ましいと言われています。

インフルエンザワクチンの有効性は、65歳未満の成人では70〜90%と報告されていますが、65歳以上ではそれ以下となっています。ワクチンを接種することで期待できるインフルエンザの予防期間は3〜6ヶ月と言われていますが、ワクチン接種後1年以内に、同一組成のワクチンを再度接種しても、抗体の上乗せ効果はないことが報告されています。

ワクチン接種の副反応(副作用)が心配な人は少なくありませんが、接種によるメリットと比較すれば非常に小さなものです。局所反応として、発赤、熱感、疼痛などを、全身反応として、発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、一過性の意識消失、眩暈、リンパ節の腫れ、嘔吐、下痢、関節痛、筋肉痛などを認められることがありますが、通常、2〜3日で消失します。非常に稀なケースとして、ショック、アナフィラキシー様症状、痙攣などが起きることがあります。その他、過敏症(蕁麻疹、湿疹、紅斑、掻痒)などが現れることもあります。

旅行や出張など海外渡航中にインフルエンザに感染するリスクは、渡航する時期と目的地によって大きく異なります。オーストラリアなど南半球の温帯地域ではインフルエンザは4〜9月にかけて流行がピークとなります。北半球・南半球を問わず温暖な気候では夏でも感染リスクがあります。特にクルージングなどの集団で渡航する場合は、インフルエンザが流行している地域からの参加者もいるため感染リスクがあります。

インフルエンザの感染リスクを減少させるためには、渡航出発前2週間前までにワクチン接種を済ませておくことが推奨されます。またインフルエンザの合併症をきたすような基礎疾患のある方、直近の秋や冬のインフルエンザワクチンを接種しなかった方が、@熱帯地への渡航、A団体旅行、B4〜9月に南半球へ渡航、のいずれかに該当する渡航を計画する場合は、渡航前にワクチン接種することが望ましい。

ただし、直近の秋に既にワクチン接種を済ませた方が、夏の渡航前に再びワクチンを接種することが有益かどうかに関するデータはなく、再接種は推奨されていません。

 
Copyright (C) 2014 ツアーナースの募集ガイド All Rights Reserved.