臨床経験を活かせる!ツアーナースのバイト

皮膚のトラブルは病気に比べて軽視されがちですが、時には重大な結果に

オーストラリアは皮膚がんの患者が多い

皮膚のトラブルは目的地や季節で大きく異なりますが、夏の場合は紫外線による日焼け、虫刺され、冬は乾燥肌や凍傷、しもやけなどが挙げられます。

病気などの違って、何かと軽視されがちな皮膚のトラブルですが、時には重大な病気につながることもあるので油断は禁物です。

山歩き(トレッキング)に参加する場合は、虫刺されに備えて、かゆみ止めの薬、抗炎症作用と感染防止作用の強い薬があると便利です。医師の処方が必要となりますが、虫刺されや皮膚炎には「リンデロンVG軟膏」が効果があります。

山でハチの大群に遭遇して、刺されて死亡するニュースが年に何回か報道されますが、ハチ対策として有用なのが、万一さされた場合に毒を吸い出す「ポイズンリムーバー」です。これは針のない注射のような形をしており、先端部分を患部に当てて毒を吸い出す仕組みになっています。登山洋品店ならだいたい取り扱っており、毒ヘビにかまれた時にも使えます。またハチに刺されたときには抵抗ヒスタミン軟膏が有効です。

東南アジアなどの熱帯、亜熱帯地域の蚊はマラリアやデング熱の感染媒体となる可能性があるため、都市部を離れる場合には、長袖の衣服を着用し、虫が嫌う「ディート」という成分を含んだ防虫スプレーを吹きかけて、蚊に刺されないようにしましょう。

冬のヨーロッパなど湿度が低くて、寒い国へ行く場合には乾燥肌への注意が必要です。特に空気の乾燥した飛行機に長時間搭乗した後では乾燥肌が更に悪化することもありますので、搭乗前には尿素を含んだ保湿クリームを塗って予防することが大切です。保湿クリームは乾燥肌になった後でも有効です。入浴後肌が水分を含んでいるうちに塗るのが効果的。手足に塗った場合には、手袋や靴下を着用すると効果が高まります。

ビーチリゾート、高地でのトレッキング、スキーやスノーボードをする人は日焼け対策が必要です。日焼けは有害紫外線によるやけどの一種で、過度に日焼けをすると、皮膚細胞の中のDNAが修復不可能となり、皮膚がんを発症する恐れがあります。年間1000人が皮膚がんで亡くなるオーストラリアでは紫外線対策が徹底しており、長袖の上着、日焼け止め、サングラス、つばの長い帽子での外出が推奨されています。また、紫外線は白内障の発症との関係も指摘されています。

ひどい日焼けをした場合には、応急処置として水や氷で患部を冷やして火照りを鎮め、それ以上の炎症を止めるようにします。日焼け後の肌は保水力が低下しているので、熱が引いたらクリームを塗って保湿を行います。熱が引く前にクリームを塗ると、熱を閉じ込めることになるので、必ず熱が引くのを待ちましょう。日焼け後の肌は摩擦に弱いので、肌を擦らないゆったりとした服を着るようにします。また脱水症状を防ぐために、十分な水分の補給を行います。

なお、市販の日焼け止めクリームには「SPF」、「PA」といった表記がありますが、何をついて少し解説したいと思います。SPFとはSun Protection Factor(サンケア指数)の略で、UVB(中波紫外線)の防止効果持続時間を表しています。例えばSPF10というのは、何も塗らない肌が10分で日焼けするとしたら、SPF10の日焼け止めクリームを塗った肌は、その10倍の時間の100分で日焼けをするということになります。

用途としては日常生活ならSPF20前後、レジャーやリゾート地ならSPF30あたりが目安となりますが、時間が経つと汗でクリームが流れ落ちたり、ムラになったりします。表記どおりの効果を期待するなら、1〜2時間ごとに重ね塗りが必要になるとされています。

日本独自の表記であるPAはProtection Grade of UVAの略で、UVA(長波紫外線)の防止効果を示しています。PA+は効果がある、PA++はかなり効果がある、PA+++は非常に効果があるを意味します。

 
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